ただいま冷徹上司を調・教・中!
「ちゃんと断ってるからな。すぐに引き返して、ちゃんと家に帰ってる。千尋から電話もらった時も、そう言ったろ?」

断固として無罪だ。

凱莉さんは全身でそう言った。

……あれ?

電話の時って……?

「その話は後でじっくり聞きます。でも凱莉さん、土曜日は仕事のトラブルで来れなくなったんじゃなかったんですか?」

「なんだそれ」

「私は梨央からそう聞いたんです。それに電話した時、凱莉さんがそんな風なこと言ってたじゃないですか」

私の母親のことは置いておいて、凱莉さんのトラブルはどうなったというのだ。

「トラブルなんて起きてないぞ?俺は千尋のお母さんが倒れたと聞いたから帰ったんだ」

「私は凱莉さんの担当の病院で機械トラブルがあったから来れなくなったって聞きました」

二人で顔を見合わせて、私達はもう一度、電話の会話を再検討することにした。

私達の与えられた情報は梨央の策略によって与えられた誤ったもの。

でも二人で会話をしたことは事実。

けれどそれも、思い込みによって認識違いをしてしまった。

そうとしか考えられない。

「私は凱莉さんの仕事の都合。凱莉さんは私の母の急病として考えましょう」

「そうだな」

まず始めは……。

梨央と別れた私から、凱莉さんに電話をしたんだ。
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