ただいま冷徹上司を調・教・中!
なんて場面を目撃してしまったんだろう。
本当なら内心面白おかしく「フラれてやんの、バカ男」の笑い飛ばす出来事だ。
けれどクズだのバカだのと言われていたのが、あの完璧な平嶋課長ともなれば話は別というもの。
面白そうに、かつ哀れみの視線を受けている平嶋課長を救出してやらねば。
私は弾けるように駆け出すと、平嶋課長の腕をグイッと引っ張った。
周りのことなど見えていなかったのであろう平嶋課長が、ビクッと肩を揺らして私を見下ろす。
「え……久瀬……?」
「行きますよっ」
突然のことで唖然としている平嶋課長の腕を強引に引っ張って、私は好奇の目から彼を救い出すことに成功した。
無言で歩き続けてたどり着いたのは、先ほどの位置から真反対側のレストルーム付近。
ここは占い店や小さなクリニックなどが営業していて、ほとんど人はいなかった。
しかし困った。
人目のつかないところに連れていかなくてはと思い、こんなところに引っ張りこんだのだが、これから先のことを考えてなかった。
あんな場面を目撃して、何をどう言っていいのかもわからない。
どうしようかと思い悩んでいると、「すまない」と平嶋課長はポツリと呟いた。
「みっともないところを見せてしまったな」
初めて見る眉を下げた頼りない表情は、目の前の人が本当に平嶋課長なのかと思わせるほどだ。
「まぁ……正直言って驚きましたけど……。でも平嶋課長にはこの前助けていただいたので」
「あれとこれとは状況が違うだろ」
「それはまぁ……そうですね……。まさか女にビンタくらってバカ呼ばわりされてる平嶋課長を見るなんて思ってもいませんでした」
「……恥ずかしいからやめろ………」
私のズケズケした物言いに、平嶋課長は口元を手で覆いながら顔を逸らした。
本当なら内心面白おかしく「フラれてやんの、バカ男」の笑い飛ばす出来事だ。
けれどクズだのバカだのと言われていたのが、あの完璧な平嶋課長ともなれば話は別というもの。
面白そうに、かつ哀れみの視線を受けている平嶋課長を救出してやらねば。
私は弾けるように駆け出すと、平嶋課長の腕をグイッと引っ張った。
周りのことなど見えていなかったのであろう平嶋課長が、ビクッと肩を揺らして私を見下ろす。
「え……久瀬……?」
「行きますよっ」
突然のことで唖然としている平嶋課長の腕を強引に引っ張って、私は好奇の目から彼を救い出すことに成功した。
無言で歩き続けてたどり着いたのは、先ほどの位置から真反対側のレストルーム付近。
ここは占い店や小さなクリニックなどが営業していて、ほとんど人はいなかった。
しかし困った。
人目のつかないところに連れていかなくてはと思い、こんなところに引っ張りこんだのだが、これから先のことを考えてなかった。
あんな場面を目撃して、何をどう言っていいのかもわからない。
どうしようかと思い悩んでいると、「すまない」と平嶋課長はポツリと呟いた。
「みっともないところを見せてしまったな」
初めて見る眉を下げた頼りない表情は、目の前の人が本当に平嶋課長なのかと思わせるほどだ。
「まぁ……正直言って驚きましたけど……。でも平嶋課長にはこの前助けていただいたので」
「あれとこれとは状況が違うだろ」
「それはまぁ……そうですね……。まさか女にビンタくらってバカ呼ばわりされてる平嶋課長を見るなんて思ってもいませんでした」
「……恥ずかしいからやめろ………」
私のズケズケした物言いに、平嶋課長は口元を手で覆いながら顔を逸らした。