ただいま冷徹上司を調・教・中!
正直に言います。
私……めっちゃくちゃ怒ってます。
平嶋課長が私との(仮)恋人関係を了承した際に、三つの約束をした。
一つ目は、自分達から公言はしないが、人から聞かれたりした際にはハッキリと恋人関係を認めること。
二つ目は、思ったことは必ず伝え合うこと。
仮とはいえ……いや、仮だからこそ、事細かに報告連絡相談のホウレンソウを大事なのだ。
そして三つ目は、平嶋課長は私を本当の恋人のように扱うこと。
平嶋課長の恋愛偏差値を正確に知るためにも。
この顔がありながら毎回フラれる原因を探るためにも。
平嶋課長は私を本当の恋人に置き換えて接し行動すること。
これが私達の決めた約束事だったのに。
木、金と会社ではいつもと全く変わらず、交わした言葉は仕事の連絡事項のみだった。
まあ確かに仕事は忙しいし、平嶋課長は大学病院の新館設備などでほとんど社内にはいない。
なので、それはそれで仕方のない部分もある。
大目に見よう。
しかし。
今日は月5月1日火曜日。
付き合い始めた男女が初めて迎える週末三連休明けだ。
初めてのデートで心が踊っていておかしくない。
なのにっ!
私は金、土、日、月の三日間、ずっっと鳴らない平嶋課長からの連絡を待ち続けていたのだ。
水曜日から今日まで、平嶋課長は一度も私に連絡ひとつよこさなかった。
あの冷徹イケメン野郎は、元カノのビンタでいったいなにを学んだというのだろうか。
「学習能力のないヤツだ……」
朝礼前、デスクで電話をしている平嶋課長を膨れっ面で睨みながら、私は小声でポツリとそう言った。