浅葱色が愛した嘘




土方が自室に帰ってもなお、桔梗は変わらず泣き続けていた。




土方はそっと、桔梗に近づく____。




『澄朔………』







呼びかけさえも答えてはくれない。

彼女の心の中にいるのは沖田だけ。



この涙を止める術を持っているのも沖田だけ。



土方だって頭では分かっていた。



しかし、土方の目の前で泣いてる女は桔梗。




何人の女に泣かれようが、鬱陶しいとしか思ってこなかったのに、



今は違がった________。



土方はそっと桔梗の顔に触れた。




そして、そのまま顔を上に向けさせる。


当然のように桔梗と目が合い、土方は息を飲んだ。





淡く深い群青色の瞳。
白く透明の肌。

顔を覆っていた両手は細く、
折れてしまいそうな程。



潤んだ目と、艶のある唇は





まさに魅力的だった。




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