浅葱色が愛した嘘
『あぁ、あっという間だった。
でも総司にとっちゃぁ、
まだ死ぬほど長かっただろうな。
これか先もずっと、あいつはその痛みに耐えなきゃいけねぇ。』
土方だけじゃない。
みんな気づいている事だった。
あれからの沖田は人が変わったように表情をなくした。
人を斬る時だって、
今まで見たことがないくらい冷たい目をしている。
拍車がかかったように、戦場を駆け回る。
正直、その姿は痛々しくて見ていられない。
『やっぱり、澄朔の傷は癒えないんやな。』
もう、その事は土方でさえも諦めていた。