浅葱色が愛した嘘
風になびく綺麗な黒髪。
切れ長の目はどこか切なげで悲しみに色を映してした。
鬼の副長か…
黙っていれば絵になるのだがな。
しかし桔梗は感じとっていた。
いや、土方から滲み出ていたと言った方が正しいのかもしれない。
土方から臭うのは大量の血臭い。
幾多の戦場をくぐり抜け、己の刀だけてここまでの道を切り開いてきた実力。
確かに鬼かもしれない。
________血に従って殺せ。
________九尾を誇って殺せ。
________それが妖の運命(さだめ)だ。
弱き者など一瞬で消される。
この男は一体これまでどれだけのものを犠牲にしてここまできたのだろうな。
桔梗は少し興味を持った。