浅葱色が愛した嘘
その後の会議で、
桔梗は一番隊の隊士として新撰組の一員になることが決まった。
沖田が一方的に意見を曲げなかったのが大半の理由でもあるが、
近藤は容易に許可を出した。
『これをもって会議を終了する。
澄朔が女だと言うことはここに居る者たちだけが知ってる事だ。
皆それぞれ他の隊士に気づかれないようにかばってやってくれ。
それではこれにて解散だ。
澄朔、お前にはまだ話がある。
残ってくれ。』
土方の言葉を合図に皆はそれぞれ部屋を出た。
『総司、ここまでわがままを聞いてやったんだ。
次は俺の言うことを聞いてもらおうか。
お前も部屋に戻れ。
副長命令だ。』
『はいはい、分かってますよ。
じゃぁ澄朔、また後で。』
沖田は柔らかい笑顔を浮かべ、自室へと戻っていった。
副長室に残されたの桔梗と土方のみ。
しばらく静寂が二人を包み込んだ。