浅葱色が愛した嘘
『お前が長州に恨みがあることは間違いねぇのは分かった。
だが、所詮は女。
そこらの修行じゃそんな強くはなんねぇよ。
それにさっきお前は俺をずっと見ていて何かを感じ取った。
俺は表情一つ変えてはいないのにだ。』
間者だとは疑ってねぇよ。
ただ何かが違う。
俺は色んな女を見てきたが
コイツだけは絶対に何か違う。
土方は確信などなかったが、
己の本能がそう叫んでいる。
桔梗………
山崎にいくら調べさせても身元は分からない。
コイツがここまでして取り戻したかった刀の意味も、
なにも知らない。
『答えてくれ。』
土方の言葉に
桔梗は何故か遠くを見つめ、呟くように話はじめた。