Heart

結愛side




目を開けると見慣れない天井


(えっと.......)


寝起きではっきりとしない頭に手を当て記憶を呼び起こす


(.......確か、退院して.....それから...

龍太さんと車に乗って.....)


記憶が途切れたことに気がつき部屋を見渡す


そこは広くて物の少ない綺麗な部屋



ガバッっっっ!!!!!!


意識がはっきりとした私は自分が置かれている状況をやっと理解し、思いっきり起き上がる


「.....どこ、ここ...」



“起きたら知らない部屋”


嫌でも思い起こされる記憶がある


怖くて怖くて、思い出したくない記憶


静かな部屋のはずなのに心臓がバクバクと高鳴ってうるさい


まるで耳元に心臓があるのではと思うほど。


と思えば、心臓が握り潰されるような痛みと苦しみがまたしても一瞬訪れた


「...っっっっっ!!!!!!!!」


すぐにうるさいただの心臓に戻る


そんなことには気にも止めず私は部屋を飛び出した


安心を求めて。


部屋を出た廊下のすぐ左に、恐らくリビングであろう扉


恐怖に駆られた私は思いっきりその扉を開けた

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