バッドテイストーヴァンパイアの誤算ー
あの人に引き裂かれた手が熱い、
そこからじくじくと全身に緩く熱が広がって身体が重い
ふわふわといつものように運ばれている感覚がして目を開けたいけど、当然たぶたも重くて持ち上げられない
やがて、ふかふかのベッドに横たえられた感覚がする
私の額に柔らかなキスが落ちる、これは間違いなくあの人がやることだ
身体の中は熱いのに足元は酷く冷たい、雪を掻き分けてお墓参りに行ったから服が濡れて身体に張り付いていて気持ち悪い
しばらくするとその気持ち悪さが全て取り除かれて、すべすべした大きく筋肉質でたくましい温かい足が絡まってくる
そして首もとにさらさらした感触がして私の肩に顔を埋めて匂いをかぐ、これは彼だ
足だけじゃない背中も温かい、いつもみたいに私の身体も心も暖めるように後ろから抱きついてるんだ
二人はいつも私の側にいたんだ、今ならどっちがやってることだか何となく分かる
この二人は似てるところがあるし、そもそも体は一つだからどっちが身体を動かしてるかわからない
その境目はあってないようなもので二人はひとつの紐の両極端にいて、
本人たちも気付かない間に身体の主導権が移動している時もあるんじゃないかと思う
それどころかもしかしら、二人は融け合いつつあって紐の真ん中みたいにどっちでもなくなり一人になっている所もあるのかもしれない