バッドテイストーヴァンパイアの誤算ー






(あぁ、あの人が私を見てる…)

(確かに彼の中にずっといたんだね)

(あの時は頭が回らなかったけど、やっぱりあれは前に話してた契約だったんだ)

たくさん伝えたいことがあるのに声を発する機会は与えられない

絶え間なく私を攻め立てて追い詰めているのに、私に触れる唇も手も吐息までもが優しい

とってもとっても大切な薄い繊細なガラス細工を扱うようにソフトで労るようなまさに愛撫で昔から何一つ変わってない

そして、こんな大事な話をしている時にまであの人は私から目を逸らす

私を絡み付くような視線で見るくせに、
シャイなあの人は私とほとんど目が合うことはかったけど、私に後ろめたいことがある時は特に目を逸らしていた

他の人にそうなってるところは見たことがなかったけど、私の前ではすごく臆病な人

私の前でだけそうだから私も彼に弱い自分を見せられたし、あの人の弱さがとてもいとおしい

< 161 / 167 >

この作品をシェア

pagetop