バッドテイストーヴァンパイアの誤算ー
重なっていた唇が触れるか触れないかのギリギリの距離で、あの人の声に合わせてしめった吐息がかかる

「君の自由を奪ってオレの中に閉じ込めたかった…」

からめられていた彼の右手にまたぎゅっと力が込められる
そして、音がなりついばむようなキスを何度もする間にも今まで溜め込んだ気持ちが溢れ出したように囁き続ける

「でも、自由な姿が愛しくてたまらない」

とても熱っぽくて苦しそうにさえ見える表情で胸がより締め付けられる

大きな背中に右手を回して抱き締めて応える

「愛してる、こんなオレでごめん」

今度は私がおでこへめいっぱいの気持ちを込めてキスして、

「私は一つも嫌じゃなかったんだよ」

くしゃっと笑う、滅多に見れなかったけど私の大好きなあの人の表情の一つだ

「君はオレに甘すぎるよ…」

突然の死と言う別れで伝えられなかったことを今度こそお互いちゃんと伝える

私から深いキスをして惜しむようにお互い唇を離し、眼鏡越しの瞳をしっかり見据えて



「さようなら」
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