バッドテイストーヴァンパイアの誤算ー
改今年の三回忌も滞りなく終わった
参加者の都合で命日にはできなかったけど、逆に一通り終わってほっと息をついてリラックスした状態で命日を迎えられた

今年なんかは子供達は習い事で催されるスキー合宿と重なってしまっていないけど、とても心穏やかでいられるのはロキがいてくれるから

シャンパングラスにシャンパンをそそいで隣にいるロキの前に置く
もう一つのグラスには金色の炭酸ジュース、これは私用だ

「カンパーイ」

カチンッ

音がなるとロキはこちらをちらっと見る

結婚記念日の夜は子供が寝静まったあとにこうやってお祝いしていた
もう結婚記念日を祝うことなんてないけどまたこうやってみたくなった

(あなたがいなくなって三年がたった、子供達は幼さがどんどん抜けてますます少年らしくなったよ)

(犬を飼い始めたよ、ロキっていうんだ、あなたに少し似ているよ)

(子供達が思わず宿題を聞いちゃうくらいすごく賢いんだ、それに私の背中に寄り添って眠ってくれるとても優しい子なんだ)

(あなたを思い出すと苦しくなるばかりだったけど、少しずつあの頃の暖かい気持ちも思い出せるようになったよ)

「ロキ~!ろぉ~きぃ~!!」

子供達がいないのでいつもは分散している注意がロキ一点に集中する

「かぁわいいね~、もっふもふだねぇ~」

ロキの毛並みはいつも艶々で血統書付きの犬みたいだ

時々人間なんじゃないかって思うときがあるくらいロキは賢い
それに見た目も上品で整った顔だし、たたずまいも風格がある
前にテレビで某ブランドの首輪を付けたセレブ犬が紹介されていたけど、あの首輪はロキの方が似合うだろうな、なんて思う

「すき、すき、だいすき~!」

ロキをなで回しながらキスをする、ロキはこちらをじとっと見るけど、抵抗はしない

「へへー、もふっもふっ、もふもふぅ~」

仰向けにして思い切り匂いを嗅ぐと、さっきお風呂で洗ったばかりなのでイイ匂いだ、
頬をスリスリしてお腹までなで回すとロキは手足をジタバタして、キャンと鳴く

「ごめん、やりすぎた」

あまりの愛しさとさわり心地に興奮してしまった、体が熱くなったのでロキに謝りながら先ほどのジュースをぐいっと飲む



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