バッドテイストーヴァンパイアの誤算ー

先輩と久しぶりの食事をした後、一人でコインパーキングに向かう

カツカツと鳴る私の足音の後にコツコツと響く足音、

誰かが私の後を付けてきている

(もう少しで車だからこのままの距離を保てれば大丈夫…)

一体どこで目を付けられてしまったんだろう
こんなの久々で、変な人に絡まれた最後は彼が亡くなる前だったような

昔からモテないくせに変な人に絡まれる、
学生の時に何度かしたキャンペーンガールのバイトも私よりスタイルも顔も綺麗な人がいるのにちょっとヤバめな人が何度もティッシュをもらいに来たり、バイト終わりに付けられたりして結局バイト先に迷惑がかかってしまったのですぐやめた

彼と結婚してからは、学生の時に付きまとってきた人からまたしつこく電話をかけられてきて結婚して子供もいるのにこんな目にあうのかと自分の体質に絶望したのが最後だったような

その時は全部無視していたのにも関わらずあんなにしつこかった電話が、一度彼が電話口に出ただけでピタリとやんだ

もう30代も半ばで若くもないのに未だにこんな目にあうなんて、何年もそういうことがなかったから油断していたというよりも自分の現状から言ってもうこんなことないと思っていた

(こんな枯れたおばさんほっといてよ~、楽しいこと考えよっ)

今夜、子供達は母に預けていてロキが一人で家で待っていてくれる
早く帰ってロキと二人だけだからあのふわふわの毛に思いっきり顔を埋めて撫で回そう、いつも子供達がそうしているように

もう大人だし、周りには人がたくさんいるから大丈夫だと言い聞かせて他のことを考えて気をまぎらわせ車に急ぐ

他の客のタバコの臭いやアルコールが身体についてしまっているので帰ってすぐにシャワーを浴びようと考えつつ車のドアに手をかけたとき、首元にさらさらした感覚と背後に人の気配がして一瞬ギクリと身体が動かなくなる
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