隣の席の不思議系彼女
「どうしたのよ、着いて来てってば」

振り向いて、さも当たり前かのように急かす壺山。
俺はもう抵抗を諦めた。
うん、これが壺山だから。

「……あー、はいはい」

「お、俺もいいの?」

「勿論」

俺達は3人で教室を後にした。
壺山は真っ直ぐ俺たちの前を歩く。

「なぁ安城、どこ行くん?」

「さぁ知らない」

「えー……。
昼飯にありつけるん……?」

「さあ……?」

壺山のやることだ。
俺にわかるわけがない。

「ここよ。さ、入って」

「え、ここ……?」

目の前には厳格そうな大きな扉。
勿論今まで足を踏み入れたことなんてない。
扉の上に、この部屋を示すプレートが貼り付けられている。
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