隣の席の不思議系彼女
えっと、壺山の家はこっちの方向……だよな?

昨日は学校から向かった壺山の家。
俺の家からの方角がわからなくなって曲がり角で立ち止まった。
行きなれない高級住宅街の方角なんて、すぐに出てくるもんじゃない。

あ、こっちか!

俺は外壁に貼られた番地の標識を見つけ、慌てて再度、走り出した。


息を切らせながら、昨日見上げた大きな黒い門の前に到着。

「……」

これからどうすれば、いいんだろう?

チャイムを鳴らす……?
……結構勇気がいるな。

鳴らしてみたとして、なんて言う?

「友達ですが、お嬢様はお帰りですか?」
「お嬢様とさっきまでご一緒させて頂いていたのですが一人で帰らせてしまって、ご無事ですか?」

……こんなこと聞いて、不審者だと思われたら?
しかも壺山がまだ帰ってなかったら?

……俺、一体どうなろんだろう?
壺山の父さん、娘溺愛なんだろ?
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