隣の席の不思議系彼女
「壺山の冗談だよ、きっと」

「え? 敏兄ちゃん、壺山の姉ちゃんとラブラブなんでしょ?
冗談なの?」

「多分な。
明日になったらきっと元通りだよ」

ちぇー、なんだぁ、と岳は残念そうに口を尖らせた。

「何言ってるんだよ安城。
さっき腕絡めてたのも、抱きついてたのも冗談だって言えるか?
やっぱり壺山って本当に……」

野崎が何かを言いかけたとき、父さんが目を見開いた。

「はっ!!!!
お嬢様をお一人で帰らせてしまった!!
なんという失態!

敏、早くお嬢様を追うんだ!!」

早口でまくし立てられ、俺は玄関から放りだされた。

確かに外はすっかり暗くなっていた。
女の子が一人で歩いていては危ない。

壺山はただでさえ可愛いんだから。
何かあっては大変だ。

俺は壺山を探して走り出した。
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