Perverse



遠くで聞き慣れた音がする。



毎日聞いているこの音は…。



スマホのアラームだ。



目が覚めアラームを止めようと身体を起こそうとして…。



「……いない…」



ベッドに柴垣くんの姿は見当たらなかった。



重たい裸の身体を引きずりながら鞄を探し当てスマホを取り出すとアラームを止めた。



「そりゃそうだよね…」



目が覚めたら柴垣くんの腕の中…なんて夢見れるような立場ではなかった。



「ダメだ。シャワーで切り替えなくちゃ」



バスルームに向かうと、こそには使用済みの冷たくなったタオルが絞ったままの状態で置いてあった。



そこでやっと気付いた。



「綺麗になってる…」



あれだけ啼いて汗だくで乱れて、最終的には気を失ってしまった私の身体を、柴垣くんは綺麗に拭いてくれたんだろう。



備え付けられた鏡を見ると、身体のいたる所に散りばめられた小さな紅跡。



それが昨日の事をありありと思い出させてくれる。



シャワーで全てを洗い流すことは出来なくて、私はそのまま服を身につけた。
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