Perverse
私はいったい何をやっているんだろう。



私の一方的な想いが爆発したせいで、柴垣くんの性に縋ってしまった。



いくら身体を合わせても、想いが重なり合わなくては苦しいだけ。



分かっていても、あの一瞬だけでも、一度だけでも。



柴垣くんのモノになりたかった。



その結果がこの痛み。



せめて目覚めた時にそばに居てくれたらなら、こんなに心が痛むことはなかったのかな。



そんな事が頭を過ぎるけれど、私と彼の関係性を考えると自嘲的な笑いしか出なかった。



「何も無いじゃない、私と彼の間には」



笑いと同時に、昨日とは違う涙が溢れて流れ落ちる。



そっとベッドに手を伸ばす。



確かに昨夜はここにいたのに。



あんなに求めあったのに。



今はシーツも冷たくて、私の身体以外に彼の名残は何も無い。



「すき…好き…柴垣くん、大好きです…」



今のうちに、たくさんたくさん言っておこう。



そして笑顔で隣の部屋のチャイムを押そう。



柴垣くんの負担にならないように、ちゃんと彼の同僚として。
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