Perverse
「お前に一つ確認しておきたいことがある」



何を言っても全てを見透かされてしまいそう。



そんな真っ直ぐな瞳に囚われて、私はこくりと頷いた。



「今日のことだけど。これをやったのが誰かなんて一目瞭然だ」



「証拠は何もないわ」



「確かに突き出せる証拠はない。でも確信はある」



「……」



確たる事がない以上、固有名詞は出さないけれど、思い描いている人物像は三人とも同じ。



「俺なら何とか出来る。それをお前が望むなら、俺は今すぐお前を守ってやれる」



「柴垣くん…」



柴垣くんがその先を言葉にしないのは、きっと私をよく理解しているからだと思う。



私はその気持ちだけで十分だ。



「ありがとう。確かに柴垣くんが出てくれれば収まることもあるのかもしれない」



「じゃあ…」



「でも。その気持ちだけ受け取らせて。営業としても女としても、私がちゃんと自分で解決するから」



竹下さんと対峙するのは他の誰でもなく私でなければならないから。



それを柴垣くんも分かっていて、それでも私の逃げ道を作ってくれたんだ。
< 154 / 290 >

この作品をシェア

pagetop