Perverse



翌日、きっちりリセットして出社するも、普段あまり会うことのない竹下さんとすれ違う時は感情を抑えるのに必死だった。



絶対に動揺なんてするもんか。



余裕のある笑顔で『おはよう』と挨拶をすると、彼女は一瞬不機嫌そうに眉を寄せたように見えた。



けれどすぐにいつも見せるような造形の笑みを浮かべ、



「おはようございまぁす。今出社ですかぁ?今日も1日お仕事頑張ってくださいね。お忙しいでしょうし」



そう言ってエレベーターホールを横切って行った。



含みのある物言いに私の胸はざわついたけれど、今の段階では絶対に向かって行ってはいけないとわかっている。



私は無理やり脳内スイッチを切り替えた。



今日は多数量を確保出来なかった得意先に謝罪をし、新規提案をしなければならない。



それに柴垣くんや津田さんにも、再度お礼を言わなければ。



いつもより高いヒールを履いてお気に入りのスーツに身を包んだ私は、曇のない笑顔で2課のフロアへと進んだ。



「おはようございますっ」



そう言えばたくさん返ってくる挨拶。



私は自分のデスクに荷物を下ろすと、津田さんの元へ向った。
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