Perverse
「俺、何回お前に信じられねぇって思ったかわかんね」



そ…そんなに?



聞きたいけれど恐ろしくて聞けない。



一体私はどれだけ間違えてきたんだろう。



柴垣くんは手を引いて私をソファーに座らせた。



ぎゅっと大きな手で握られると、緊張で冷たくなっていた指先が温かくなっていくのを感じる。

「なんなのお前。俺ちゃんと言ったよな?お前の事ずっと見てたって」




「いつ?」



「俺が本社に戻ってきてしばらくしてから。2人で残業して、いろいろ話したろ?」



「あ…」



そう、あの日の柴垣くんの言葉がキッカケで、楓と沙耶ちゃんに素直になれたのだ。



でも…。



「ずっと見てたって言われても、どういう意味かなんて考えなかったから…」



「話の流れで普通はわかるだろ」



「同期の私をずっと気にしてくれてたんだなぁって思ってた」



「……ありえねぇ」



大きな溜め息は二人きりの空間にはよく響く。



その溜め息さえも嬉しく思えるのは。



きっと柴垣くんが、照れながら拗ねているような可愛らしい表情だからかもしれない。
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