Perverse
「それは俺が柴垣に直接付き合ってるって言ったからだよ」



「え?そんなことを?」



「うん。しかも三崎さんにちゃんと振られた後に」



振られた……というか、津田さんは私の気持ちがわかっていたから、自らそう仕向けたような気がする。



今後も私が気にすることなどないように。



「それに、お前だってはっきり津田さんが好きだって言ったじゃねぇか」



「そんなこと言った覚えない」



「言ったよ。俺がお前を駅まで迎えに行ったとき」



「あれ……散歩って言ってたのに……」



「そんなことあるわけないだろ。あほか」



少し赤くなった顔を逸らしてそういう柴垣くんは、今までと違ってとても可愛い。



それにしても、あの時私は柴垣くんとそんな話はしていないと思う。



柴垣くんは何を言っているんだろう。



「ねぇ三崎さん」



津田さんから呼ばれ、私は視線を移して返事をした。



「三崎さんは俺の下の名前知ってたよね?柴垣に教えてあげてくれる?」



また唐突に意味の分からない事を言い出した津田さんを怪訝な顔で見返したが、今この状況で無意味なことをしているとは思えなくて、私は柴垣くんに向き直る。



「マサタカさん……だけど」



そう言うと、柴垣くんはハッとしたように津田さんを振り向いた。
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