Perverse
津田さんは意味ありげにニヤリと柴垣くんを見て笑う。



心底悔しそうな柴垣くんに視線を送りつつ、津田さんはさらに続ける。



「三崎さん、チョコは好き?嫌い?」



「……あ」



ココだったのか。



柴垣くんの顔を見ればすぐわかる。



こんな簡単のことに気付かなかったなんて、私はどれだけ鈍いんだろう。



「好き……です」



私がそう答えると、津田さんは吹き出し声を上げて笑った。



「『マサタカさん。好きです』三崎さんの声だけを拾った柴垣には、こう聞こえてたんだよ」



津田さんの答え合わせはあまりにも簡単。



私達にもっと相手に問う勇気があれば、簡単に解決していた問題なのに。



それができなかった私達に笑いが出る。



そう、今だからこそ出る笑いなんだ。



「騙されたぁ……」



その場に崩れ落ちそうになるほど脱力した柴垣くんは、肩を落として盛大に溜め息をついた。



「今回のことで分かったことは、柴垣は見た目と全然違って男らしくなかった」



「うるせ……」



柴垣くんは両手を腰に当てて俯くと、苦笑いを隠すかのように俯いて呟いた。
< 252 / 290 >

この作品をシェア

pagetop