Perverse
ということは、皆の中で私はいったいどう映っているのだろうか?



二股賭けて言う柴垣くんに、いいように遊ばれた可哀想な女。



というところかもしれない。



そう思うと私はたまらず吹き出してしまった。



「……なに笑ってんだよ」



「ふ……ごめんなさい。みんなが思ってる自分のポジション考えてたら笑いが……」



両手で口元を覆って何とか笑い声を押し殺しながら答える。



すると柴垣くんは私の両手首をつかんで広げ、腰を屈めて私を正面から捉えた。



「ちゃんとわかってるよな?」



真剣な目でそう言われると、私の笑いはピタリと止まる。



「ちゃんとわかってる」



心配ない、と微笑むと、柴垣くんは安心したようにクシャっと表情を崩して私を見つめた。



信じられないほど甘い告白をしてくれたのは昨晩のこと。



今さらどんな噂がたとうとも、それを疑って不安になんてなるはずがない。



一夜でたくさんの想いを伝えあった私達が、噂で揺らぐなんてあるわけがないんだ。



「そういうの、俺の前ではやめてくれる?」



見つめ合う私達に向けて、津田さんは溜め息交じりの言葉を投げかけた。
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