Perverse
陰で津田さんがこんなに活躍してくれていたなんて知らなかった。



どうやら私達は津田さんに大きな感謝をしなければならないらしい。



「そんなことより」



咳払いをして柴垣くんはいつもの調子を取り戻そうと話を変えてきた。



「俺がやばいってのは津田さんの意地悪ってことでいいんすか?」



そうだ、そこが一番確認しなければならないところだった。



「それは本当だよ」



てっきり『意地悪』として笑い飛ばせると思っていたのに。



私はまた不安に襲われた。



「だって考えてもみなよ。柴垣は昨日まで竹下さんと付き合ってるって噂になってたんだよ?」



「……あ」



私は思わず声を漏らした。



いくら事実無根の話であったにせよ、私同様に他の社員は柴垣くんと竹下さんの噂を完全に信じ込んでいるはずだ。



本人が肯定していないにせよ、否定もしていないのだから当然の話だろう。



「男どもは凄い勢いで柴垣の悪口に花咲かせてたよ。『竹下さんと付き合ってるくせに、あろうことか皆の三崎さんに手を出しやがって。絶対許せない!死刑にしてやる!』ってさ」



顔真似しながら笑っている津田さんの表情を見る限り、私に害は全くなさそうだけれど。



チラリと柴垣くんを見ると、本気でげんなりしたように息を吐いた。
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