Perverse
「心配だからそこまで送ってくる。タクシーに放り込んだら帰ってくるから」



なんだかんだ言ったって、やっぱり人を放置せず面倒見てしまう柴垣くんの優しいところが大好きだ。



「はい。楓達のこともお願いね。私は片付けしながら待ってるから」



「わかった」



柴垣くんはそう言うと楓から上原くんを受け取り、先に玄関を出て行った。



「結菜、今日はありがとう。ここに来れてよかったわ。結菜がどれほど柴垣くんから大事にされてるか知れたから」



すっかり酔いは醒めてしまったのか、楓が真剣な顔でそう言った。



「なんだかんだ言っても心配だったの。結菜の好きの比重とイコールになってるのかって」



「楓……。私のこと、そんなに心配してくれてたの?」



「当たり前でしょ。竹下さんとの噂のことだって、彼女が言ったことが全てじゃないってわかってたし。もしかしたら結菜にとって辛いことがあったんじゃないかってずっと思ってた」



噂とは、柴垣くんと竹下さんが付き合ってたというものだろう。



二人を心配させることもないと思い、事の真相は話さず竹下さんの話が全てだと話してあった。



全てを話してしまったら、せっかく今現在メキメキと成長している竹下さんの過去の悪巧みを暴露することになってしまうからだ。



「本当はわかってたけど、今日で本当に結菜が柴垣くんに溺愛されてるんだって実感した。それが本当に嬉しかったのと同時に寂しくなっちゃって、つい柴垣くんに絡んじゃった。ごめんね」



しゅんと項垂れる楓が可愛くて、私は思わず楓をきゅっと抱きしめた。
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