Perverse
「いつも私を心配してくれてありがとう。二人には本当に感謝してる。柴垣くんだってちゃんとそれはわかってくれてるわ」



そう、柴垣くんは私のことや私の周りのことは、私よりも数倍理解してくれている。



だから楓と沙耶ちゃんの気持ちくらい、全てお見通しなんだと思う。



きっとそれもあったから、ここでの飲み会を実行してくれたのだろう。



「私もう何一つ心配事がなくなった。安心して柴垣くんに結菜をまかせるわ」



「柴垣さんなら間違いないです」



沙耶ちゃんも力強くそう言ってくれて、私達は三人でハグしながら笑い合った。



「外で柴垣くんが待っててくれてるだろうから、もう行くね。今日は本当にありがとう」



「とっても楽しかったです。おごちそうさまでした!」



「こちらこそ来てくれてありがとう。またいつでも遊びに来てね」



手を振り合って、楓と沙耶ちゃんは玄関を後にした。



パタンとドアが閉まると、さっきまでの賑やかさが嘘のように静寂が訪れる。



リビングの入り口まで戻り部屋の中を見回すと、途端に寂しく感じてしまうから不思議だ。



今日は本当に楽しくて、家ということも手伝って、今まで以上にはしゃいでしまったかもしれない。



柴垣くんを好きになる前の私なら、それを恥じて後悔しただろう。



いや、そもそも素の自分を見せてはしゃぐことすらしなかったに違いない。



そう考えたら、やはり私は大きく変わったのだと実感した。
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