Perverse
「結菜さ、最近なんか変わった気がするんだけど気のせい？」



「私もそう思ってました」



楓と沙耶ちゃんの突然の指摘にドキリとした。



「…そんなことないよ？」



極めて冷静に答えたつもりだったけれど、少しだけ声が上ずってしまったのは否めない。



「私は何故だかわかってますけどね」



「えっ！？」



ニヤリと笑う沙耶ちゃんは、なんて過敏なアンテナの持ち主なのだろうか。



私のほんのちょっとの心の変化に気付くなんて。



「わかったってどういうこと？結菜に何があったの？」



「それは…秘密です」



「沙耶ちゃんの意地悪」



膨れる楓の頬をぷにっと指で指すと可愛く微笑んだ。



「私は結菜さんの味方なんです。でも楓さんもきっとすぐわかると思いますよ。ね、結菜さん？」



「いや…あの…」



否定も肯定もできやしない沙耶ちゃんの問に、私は曖昧に笑いで誤魔化すしか術がなかった。
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