Perverse
マンションとマンションの間には小さなコインパーキングがあるけれど、それでも数十メートル先には柴垣くんがいる。



そう思うとなかなか鼓動は落ち着きを取り戻さなくて、ベッドに入っても暫く眠れなかった。



毎朝恒例の出勤準備も、何故だかいつもよりも念入りにチェック。



駅に着いてさり気なくホームを見回して柴垣くんがいない事を確認すると、あからさまに肩を落としてしまう。



考えてみれば今まで柴垣くんは一度も私より先には出勤していない。



ということは時間的に考えても私が乗る電車の一本あとなんだろう。



電車がホームに着いた時、一瞬だけ一本遅らせていこうかと思ったけれど、それはそれで不自然だと思い止まった。



結局いつもの電車に揺られていると、この落胆の理由が何となく輪郭をおびてきて少し怖くなる。



この気持ちは膨らませてはいけない。



なんとなくそんな予感がしたからだ。
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