Perverse
真っ直ぐに私を見つめる津田さんの視線から逃れることが出来なくて、気付けば乗るはずだった電車は発車してしまっていた。



「津田さん」



「うん」



「津田さんらしくないです」



「そんなことないよ」



少しだけ悲しそうな色を漂わせた津田さんの視線は、すっと逸れていった。



「行こう」



そう言いながら肩を押されると、自然に足はいつものルートを辿っていく。



少し強引な気もしたけれど、津田さんは私にとって大切な先輩。



恋愛対象として見たことはないけれど、素敵な要素をたくさん持っている人で、隠れファンも多いと沙耶ちゃんから聞いたことがある。



それに対しては納得できるほどの人望もある人だ。



電車に乗ってしまえば反対方向であるからという遠慮もなくなり、津田さんの申し出に何の抵抗もなく甘えてしまった。



先ほどの気まずさも自然となくなり、会話を弾ませながら下車駅に着くと、そこで別れることもなく家へと向かって歩いていった。
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