Perverse
「三崎、柴垣、ちょっといいか?」
週明け出勤してすぐに佐々木課長に呼ばれた私達は、揃って課長のデスク前に並んだ。
「突然で申し訳ないんだが、明日から出張を頼みたい」
「明日…ですか…」
「ずいぶんと急ですね」
今まででも急な出張を言い渡されたことはあるけれど、2人でなんてもちろん初めてだ。
「スケジュール調整が大変かもしれんが宜しく頼むよ」
「はい…」
「わかりました…」
佐々木課長は簡単に言うけれど、私も柴垣くんも結構ハードスケジュールなのだ。
取引先に変更をお願いして…。
出張から帰ってきたらとてつもなくハードになるだろう…。
「出張先、聞いてないんですけど」
柴垣くんがそう言って気が付いた。
行先も目的も何も知らされていないのだと。
「ああ、福岡支社だ」
「福岡?あっちは今、展示会のはずですよね?」
「そうだ。思いのほか来場者が多いしずっと協賛をお願いしていたメーカーが来るそうでな。うちとしても、これをモノにしたいそうなんだ。そこでお前達に行ってほしいと上からのお達しだ」
展示会のヘルプで行ったり来たりはよくある話だ。
あの広い会場で次に繋げるために接客するのは嫌いではない。
けれど今回は…柴垣くんと二人きりで…。