Perverse



「三崎、柴垣、ちょっといいか?」



週明け出勤してすぐに佐々木課長に呼ばれた私達は、揃って課長のデスク前に並んだ。



「突然で申し訳ないんだが、明日から出張を頼みたい」



「明日…ですか…」



「ずいぶんと急ですね」



今まででも急な出張を言い渡されたことはあるけれど、2人でなんてもちろん初めてだ。



「スケジュール調整が大変かもしれんが宜しく頼むよ」



「はい…」



「わかりました…」



佐々木課長は簡単に言うけれど、私も柴垣くんも結構ハードスケジュールなのだ。



取引先に変更をお願いして…。



出張から帰ってきたらとてつもなくハードになるだろう…。



「出張先、聞いてないんですけど」



柴垣くんがそう言って気が付いた。



行先も目的も何も知らされていないのだと。



「ああ、福岡支社だ」



「福岡?あっちは今、展示会のはずですよね?」



「そうだ。思いのほか来場者が多いしずっと協賛をお願いしていたメーカーが来るそうでな。うちとしても、これをモノにしたいそうなんだ。そこでお前達に行ってほしいと上からのお達しだ」



展示会のヘルプで行ったり来たりはよくある話だ。



あの広い会場で次に繋げるために接客するのは嫌いではない。



けれど今回は…柴垣くんと二人きりで…。
< 84 / 290 >

この作品をシェア

pagetop