私の遠回り~会えなかった時間~
「あ…、彬。私はどうしたらいいんだろう。」

あまりにも想定外の彬の話を聞いて、私は完全に自分を失っていた。

「知紗に触れても良いか?」

彬は真っ直ぐに私を見つめた。

「さっきからずっと我慢しているんだぞ。」

私の首に彬の腕が回る。

「触れないで帰す事にならなくて良かった…。もしかしたらまたトラウマを自分で作ってしまう所だった。」

「どんなトラウマ?」

私は恐る恐る聞いた。

「叔母さんの仏壇の前に座れなくなっていたかもしれない。」

私は身体が動かせない。

「…知紗はさ、本当に何の連絡も寄越さなかったよな。」

「だって!」

じろりと彬から見下ろされた。

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