私の遠回り~会えなかった時間~

「今日はちゃんと帰ります!」

「そうだな。残念だけど。」

そんな事を言いながら、彬さんはニヤリと笑う。

その後私が片づけをして、コーヒーを飲んだ。

少し休憩すると、私は帰ると彬さんに告げた。

彬さんに見送られて、車に乗り込もうとした。

そして身体の向きをくるりと返る。

「今日はごちそう様でした。とっても美味しかったです。」

私は彬さんに向かってぺこりと頭を下げる。

ちゃんと着替えて、今はスーツ姿に戻っている。

「ああ、帰したくないけど仕方ないな。」

そんな何気ない彬さんの言葉に妙に反応してしまう自分が恥ずかしい。

「ちゃんと土曜日の夜には泊まる用意をして来いよ。」

私は目を丸くして彬さんの顔を見上げる。
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