ねぇ先輩、名前をよんで。
特別な人なんだろうな……。
彼の表情からすぐに分かった。
すると、彼は言う。
『俺の幼馴染がね、俺が落ち込んでいると必ず言うんだ。
ここを逃げ場にしてもいいけど、
逃げ場にずっといるのはダメなんだよって。
居心地のいい場所は人をダメにするんだから、なんてさ。
心が強くてね~
本当に女の子?っていっつも思うんだ』
悲しい時、向き合うことを忘れてしまう。
前向きな言葉をかけるよりも、
私は寄り添ってしまうタイプだ。
『強いんですね、その人』
『うん、そうだね。
きっと俺よりも強くてしっかりしてる』
自分のことみたいに嬉しそうに話す先輩は
遠くを見つめて笑った。
ーードキン。
その時の笑顔が心の底からの笑顔で胸が鳴る。
ああ、きっと
先輩はその彼女のことが好きなんだろう。