ねぇ先輩、名前をよんで。



特別な人なんだろうな……。


彼の表情からすぐに分かった。


すると、彼は言う。


『俺の幼馴染がね、俺が落ち込んでいると必ず言うんだ。

ここを逃げ場にしてもいいけど、


逃げ場にずっといるのはダメなんだよって。


居心地のいい場所は人をダメにするんだから、なんてさ。

心が強くてね~

本当に女の子?っていっつも思うんだ』


悲しい時、向き合うことを忘れてしまう。

前向きな言葉をかけるよりも、


私は寄り添ってしまうタイプだ。


『強いんですね、その人』


『うん、そうだね。

きっと俺よりも強くてしっかりしてる』


自分のことみたいに嬉しそうに話す先輩は

遠くを見つめて笑った。


ーードキン。


その時の笑顔が心の底からの笑顔で胸が鳴る。


ああ、きっと


先輩はその彼女のことが好きなんだろう。



< 14 / 250 >

この作品をシェア

pagetop