ねぇ先輩、名前をよんで。


彼の隣にゆっくり座る。

すると彼は優しく言った。


『何があったのか話してごらん』

『……っ』


初めてあった人に出来る話でもなくて、

私はしばらく黙っていた。


彼は私のことを急かすことなく、

柔らかく笑う。


『まっ、そんなこと言ったって

簡単に話せる話でもないか』


初めて会ったのに、

その先輩の笑顔がなんだかほっとした。


彼は私の話を聞く代わりに

自分の話をし始めた。


『実は俺ね、サボり魔なの。

疲れたなーって思った時いつもここに来てるんだよ』


『そうなんですね……

ここすごく空気がいいから』


『でしょ?だから疲れたらここに逃げてくる。

授業に出ないでずっとここにいたいって思うんだけど、


幼馴染にそれはダメだって怒られちゃった』


先輩には幼馴染がいるらしい。


その人の話をしている時、

ひどく優しい顔をしていた。







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