ねぇ先輩、名前をよんで。



優にもう一度、

会えたら俺はなんて言うだろうか。


ごめん、か。

それともありがとう、か。


それとも……

あの時言えなかった"好き"を伝えるかな。


何を考えたってもう遅い。


伝えたいことはたくさんあったのに、

いつも言葉にしなかった。


優はしっかりと言葉にしてくれていたのに


いつも側にいたから。


それでいいだろうと思っていた。



「優……会いたい、よ」



優のお墓の前でポツリとつぶやいた。


ひどく寒い。


温かな優の笑顔が思い出せない。


もう優が死んで半年になる。


いつまでもその場所から動こうとしない俺は

周りになんて思われているんだろう。


『春先輩……』


その時、俺はゆうちゃんのことを思い出した。




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