御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
控室に辿り着くまで、奏は恐ろしくて鷹凪の顔を見ることができなかった。
勝手なことをして、しまいには泣き叫んで、記者会見をめちゃくちゃにしてしまった。
鷹凪は怒っているだろう。きっと小田桐や美影も失望したに違いない。
けれど――
そんな奏の予想とは反対に、控室に辿り着いた瞬間、鷹凪は強く奏を抱きしめた。
「奏。よく頑張った。本当に、よく頑張ったよ、お前は」
情けないくらいの笑顔で、鷹凪は奏の額に口づける。先ほど会見場で見せた怒りの面影など吹き飛んでいた。
「本当に、奏さんは予想以上の働きをしてくれたよ。最後は俺も泣きそうになった」
「当たり前だ。俺が見初めた女なんだからな」
そう言って、鷹凪と小田桐がしてやったりという顔でハイタッチを交わす。
奏はわけがわからなくなった。このふたり、さっきまで喧嘩してなかっただろうか。
「……もしかして……こうなるって、全部わかってたんですか……?」
呆然とする奏に、奏を除く三人はにっこりとした笑顔で返す。