御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
「驚かせてごめんなさいね。でも、あなたから自然な言葉で、素直な気持ちを聞き出したかったの。それがきっと一番だろうって」

「奏さんの立場を説明するのが、一番の難局だったんだ。なぜ表舞台に立たないのか、その質問が来ることは目に見えていたからな。けど、奏さんの熱いスピーチのおかげで、視聴者の納得を得られる回答ができたよ」

朗らかな笑みを浮かべる三人に囲まれて、緊張の糸が切れた奏は、ぺしゃりとその場にへたり込んだ。

腹を切るような覚悟で会見に臨んだというのに、彼らもなかなかに意地悪だ。

そんな奏を鷹凪は抱き上げて、近くのソファへと運んでくれた。

「すまない、奏。お前をこんなところに引きずり出したくなかったのは本心だ。けど、お前が、俺のために頑張ろうとしてくれてると誠司たちから聞いて……」

「鷹凪は、最後まで奏さんを立たせることに反対していたのよ」

ハッとして鷹凪を見ると、許しを請う子どものように申し訳なさそうな顔で奏のことを見つめていた。

「利用して悪かった。……けれど、助かった。お前がいてくれなかったら、俺は辞職させられていたかもしれない」
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