御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
「もしかして、本当にふたりきりで会っていたんですか……?」

「ん? ああ……別に、浮気のつもりじゃないが」

衝撃が胸をつく。美影が説明してくれた「ふたりきりではなかった」という言い分を、なにひとつ疑わずに鵜呑みにしていた奏だったけれど……。

「じゃあ、ホテルに行ったっていうのは……」

「ホテルで食事をしただけで、泊まったわけじゃ――」

(本当だったんだ……)

あまりの驚きに、そして裏切られたような悲しみに、目頭がきゅっと熱くなってくる。

昔の彼女とふたりきりでホテルに……そこまで聞かされてしまうと、あの記事も真実なのではないのかと疑いたくなってくる。

「奏、なに勝手に想像してる? 違うぞ? 確かに昔はいろいろあったが、今は」

「……やっぱり、あったんですね」

「おいこら、なに泣いてる!? ひとの話を最後まで聞け!」

ふたりの関係について、考えないように目を逸らし続けてきた奏だったが、まさか本人の口から追い打ちをかけられるとは。
鷹凪が別の誰かのものになってしまったような気がして、涙が止まらなくなってくる。

「……しばらく会わなかった間に、積もる話があったんだ。別になにをしたわけでも――」

それでもざめざめと泣き続ける奏に、鷹凪はあきらめたように頭を抱えた。
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