御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
「でも、記者会見なんですから、もっとちゃんと説得力のある答え方をしたかったです。泣いて終わらせるのではなくて……」

言葉で説明して相手を納得させたかった。泣くのは反則だと、奏自身もわかっている。

「まったくだ。もう少し奏に説明する能力があれば、お前と誠司の仲を疑わずに済んだのに」

肩をすくめてため息をついた鷹凪に、奏は「え?」と目を瞬かせる。

「あれも私を騙すための演技だったんじゃないんですか」

「ふざけるな、あれは本気で浮気を疑ってたんだ。誠司から事情を説明してもらったからよかったものの」

「浮気なんて、するわけないじゃありませんか」

「……もう二度と俺に隠れて誠司と会おうとするなよ。絶対だ」

不機嫌にそう言って、鷹凪はぷいと視線を逸らす。

「鷹凪さんだって、美影さんとの写真のこと、なにも教えてくれなかったじゃないですか」

奏がむくれると、仕方ないだろ、と言って苦虫を嚙み潰したような顔で頭のうしろをかいた。

「言い訳も聞きたくないだろ」

「小田桐さんも一緒にいたなら、そう言ってくれればいいのに」

「え? ……あ、ああ。そうだな……」

妙に要領を得ない頷き方をする鷹凪に、奏はまさか、と蒼白になる。
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