御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
「……従順で、三歩うしろから黙ってついてきてくれるような、奥ゆかしく健気な女性はいないか」

絶対いない、という確信をもって言ったある種の嫌味だったのだが。

「……でしたら、近い方があちらに」

篠田が突然、指を差したから、鷹凪はぎょっと眉をひそめた。

「……いるのか? 冗談だろ?」

「あそこの、ボランティアの女性です。高梨さんといって、控えめで無口な方なのですが、とても一生懸命に仕事をこなしてくれますよ」

篠田が指し示した先に、かわいらしい印象の、けれど笑顔の下手そうな、黙々と仕事に励む女性がいた。

じぃっと彼女を観察する鷹凪。

確かに無口なようで、自分からはほとんど口を開かない。
周囲が談笑する中、彼女だけはもくもくと作業を進めている。

けれど、悩んでいる人に恐る恐る声をかけ、手伝ってあげている姿も度々見られ……。

「あれが篠田のお気に入りなのか」

「やましい言い方をしないでください。ただ、出しゃばらず、謙虚で一生懸命なところが先生にぴったりかなぁと思っただけで」

「ふぅん……」
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