御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
「……奥さんも居心地悪いだろ。さんざん陰で言われて」

「……仕方ありません。そういう立場ですから」

「でも、どうして鷹凪と結婚なんて決意したの? どう見ても総理の妻の座を狙うようなタイプに見えないんだけど?」

小田桐は興味深々のキラキラとした瞳を奏に向けた。

初対面だというのに相手の心の奥底を躊躇なく覗き込んでくるこの男は、人見知りの奏にとっては理解し難く、いっそうらやましくもあった。
あるいは、大勢の人を相手にする政治家というものは、こうでなくては成り立たないのかもしれない。

「総理夫人になりたいから結婚したわけではありません」

「えー? ほんと? ちょっとはそういうこと期待しない?」

「たまたま結婚した相手がそうだったってだけで。期待なんて――」

「それはそれで、どうなのかなぁ」

「え……?」

突然小田桐の視線が鋭く光って、奏は身震いした。ふてぶてしくて人懐こい笑顔が一瞬にして狡猾で意地の悪いものに変わる。
テレビで見た、鷹凪を追い詰めるときにするあの顔だ。
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