御曹司と契約結婚~俺様プレジデントの溺愛に逆らえません~
もしかしたら、男性からは女性を誘惑するための香りが出ているのかもしれない。
今まで男性を求めるなんてしたことのない奏だったけれど、このときばかりは心地よさに全部曝け出したい気分になった。

でも……。

(確かに、私は鷹凪さんのお人形さんなのかもしれない)

愛でられ、かわいがられ、癒しを与える。……でも、それだけ。とても対等な関係ではない。
どちらかというと……ペットに近いかもしれない。

「……鷹凪さんは、私がこのままで、本当にいいんですか?」

「……なんだ?」

突然の質問に、鷹凪が首を傾げる。。

「その……小田桐さんの奥様は、秘書だったり、政治活動に協力されてたりするのに、私はなにもしていないので……」

「もしかして、昔つき合ってたって話を気にしているのか? 過去のことだ。お前だって元彼のひとりやふたり――って、いないのか」

言い当てられ、奏は顔が真っ赤になってしまった。そんな奏をきゅっと抱きしめて、鷹凪は頬ずりするように縮こまる。

「そんなことを求めてるなら、そもそも奏に求婚なんてしていない。前にも言っただろ?」

「……はい」

「お前とは、面倒くさいこと抜きで、愛し合っていたいんだ」

強く体を拘束され、ゴロンとソファに横たえられる。
その上に鷹凪が体を重ねて、前髪がついてしまうくらい顔を近づけられた。
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