冷酷な騎士団長が手放してくれません
目の前でギラリと光る剣の先に、ニールは息を呑んだ。


剣の向こうには、一寸の迷いもなくニールを睨みつける鋭い碧眼がある。


(これほどまでに、強いとは……)


ニールは、これほどの剣士と手合わせしたことがなかった。わずか二十歳にしてここまでの実力を手に入れるとは、一体彼はどんな過酷な試練に打ち勝って来たのだろう。


剣は、力量が全てではない。


相手の動きを予想する思考能力と、揺るぎのない精神力こそが、最終的に勝敗を決める。


目の前の若き騎士は、思考能力もさることながら、ニールがこれまでに出会ったことがないほどの強靭な精神力を兼ね備えている。








リアムの今にも吸い込まれそうな青い瞳に魅了されながら、ニールは奇妙な心地を味わっていた。


(精神力だけではない。この匂いたつような品格は、一体なんだ……)


ざわざわと、胸の奥が騒ぎ立てる。それはニールの直感に過ぎなかったが、確かな自信があった。


このリアムという騎士は、ただの騎士ではない。






「お前は……」


低い声で、今しがた感じた疑問を口にする。


「お前は、何者なんだ……?」





< 136 / 191 >

この作品をシェア

pagetop