冷酷な騎士団長が手放してくれません
「さようなら。ソフィア・ローレン・アンザム」
――ザクッ。
遂に、最後の革紐が断ち切られた。
ソフィアは、精一杯目を見開く。原動力を失った馬車は、急激な速さでもと来た道を下降し始めた。馬にまたがり、自分を冷たく見据えるアダムの姿があっという間に遠ざかる。
――ガタンッ! ガタガタガタッ!
凹凸に車輪を取られながらも、馬車は後ろへの加速を止めない。
(ああ……)
激しく揺れる馬車の中で、ソフィアはすがるように自分の右手に頬を寄せた。リアムが何度も口づけたそこから、彼の温もりを探す。
(リアム……)
恐怖で、胸が破裂しそうだった。間近に迫る死が怖くて、声すら出なかった。
ただひたすらに、彼の温もりを探す。
あの魅惑的なブルーの瞳と、細くても男らしい大きな手と、熱い唇の感触を思い出す――。
――ザクッ。
遂に、最後の革紐が断ち切られた。
ソフィアは、精一杯目を見開く。原動力を失った馬車は、急激な速さでもと来た道を下降し始めた。馬にまたがり、自分を冷たく見据えるアダムの姿があっという間に遠ざかる。
――ガタンッ! ガタガタガタッ!
凹凸に車輪を取られながらも、馬車は後ろへの加速を止めない。
(ああ……)
激しく揺れる馬車の中で、ソフィアはすがるように自分の右手に頬を寄せた。リアムが何度も口づけたそこから、彼の温もりを探す。
(リアム……)
恐怖で、胸が破裂しそうだった。間近に迫る死が怖くて、声すら出なかった。
ただひたすらに、彼の温もりを探す。
あの魅惑的なブルーの瞳と、細くても男らしい大きな手と、熱い唇の感触を思い出す――。