恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
フライパンの蓋を開けて、目玉焼きをチェックする。
鮮やかな白と黄色が美味しそうに見える・・・よし。

しっかり焼けている目玉焼きと、良い具合にこんがり焼けたトーストを、それぞれのお皿に移した。
それから、席に着いた私たちは、両手を合わせて「いただきます」と言った。

「翔はたまごに何をつける?」
「ケチャップぅ」

・・やっぱり。
いつものことだと知ってはいるけど、あえて息子に聞いたのは、言葉とその物を一致して覚えてほしいから。
食べる前には「いただきます」と言うような、挨拶や聞き方(たずね方)、お願いの仕方といった言葉遣いを含めて、これが私なりの躾の仕方というか・・母親として、子どもに暮らしのあれこれを、実際の暮らしの中で教える方が、翔も早く身につくと思うし、何よりその方が、私も教えやすい。

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