恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
そうして歩いているうちに、母が経営する喫茶店「白樺」に着いた。

身内だからといって、店内でダラダラ長居するのは気が引けるし、母はお店の手伝いを「身内だから」させてくれない。
だから実家に帰ったときでも、「白樺」には滅多に行かなかった。
私の場合、別居と離婚に向けて、少しずつ準備はしていたけど、実家にはそう頻繁に帰らなかったから・・。
私は今日が3回目、翔は初めての来店になる。
岸川さんがここの常連客だなんて。知ってたら・・・「白樺」どころか、この周辺にはもっと近寄らなかっただろう。

それでも、白樺の樹を使ったお店の看板や、白樺のテーブルや椅子に、所々赤いモノを利かせた店内を見て、我が家に帰ってきたような、懐かしい気分になった。
全体的に小さなお店はどこも変わってないことに、何だか心がホッとしていた。

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