恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
・・・ゴツゴツした、大きくて、男の人とすぐ分かる手。
なのに、指はスッと伸びて長い。
日焼けもしてる・・・。

私は、胸をドキドキさせながら、岸川さんの手を握るために、自分の手を上げた。

・・やだ。手が震えてるの、岸川さんにもバレちゃう・・・!

それは嫌だと思った私は、岸川さんの手の方へ、自分の手を持って行くスピードを上げた。
おかげで、1秒後には岸川さんと「無事に」握手をして。
さらに2秒後には、岸川さんから手を離していた。

「それじゃ・・今日はどうも、ありがとうございました」

部屋を出ようと踵を返した私を、岸川さんが呼び止めた。

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