恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
「よ~し。着いたぞ~」
「ここ・・?ですか」

岸川さんは昨日、事務所近くにあるファミレスでお昼を食べようと提案していたのに。
私たちを連れて行ったところは、事務所から車で20分くらいのところにある、北欧スタイルの家具や雑貨を販売している人気のお店だった。

「ここのハンバーガーが美味いらしいんだ。それとこの店、子ども用のプレイルームがあるって聞いたから・・」
「あ、知ってますそれ」
「来たことある?」

息子のチャイルドシートを外しながら聞いてきた岸川さんに、私は一度コクンと頷きながら「はい」と答えた。

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